ポジショニングの進め方
ポジショニングの進め方は、原則的に看護過程と同様です。第一段階は、患者情報と課題分析(アセスメント)、第2段階は食事姿勢の決定と計画、第3段階は実施、第4段階は評価を繰り返します。その基本を患者の状態をみながら評価、修正していきます。
患者情報は、全身状態や摂食嚥下機能などをアセスメントします。全身状態の重篤な場合は医師の指示を必ず確認します。食事前・中・後の姿勢や食事内容や方法、食習慣なども入念にチームで観察し情報共有します。 摂食嚥下障害に関しては、5期モデル(先行期、準備期、口腔期、咽頭期、食道期)のどこに問題があるのかが明確になっていると、より適切なポジショニング計画の立案ができます。経口摂取か非経口摂取かの違いも食事姿勢が異なります。ポジショニングのゴールは、“自分で楽しく食べる”ことです。患者個々の状態を確認しながら、根拠をもって計画します。
ポジショニングの実施は、技術でありPOTTプログラムで紹介します。 評価は、食事前・中・後を観察し、食事摂取状況や疲労などを観察し記録しチームで情報共有をします。食べる方も食べさせる方も、共に楽しみの食事とするためにポジショニングする時は、表情をみながら様々な工夫をしてみましょう。食事中には、姿勢の崩れなどの変化やムセ、誤嚥の有無等を確認しながら目線を合わせて介助をします。
食事時のポジショニングは、患者の全身状態や摂食嚥下機能等にあわせて変化させます。開始時は、原則リクライニング位30度から開始し、45度、60度、車いすと移行します。食形態は、リクライニング位に併せていきます。全身状態や摂食嚥下機能、耐久性等の変化により逆のリクライニング位も発生します。食べる姿勢は、全身を使っていることがポジショニングをしていると気づけてきます。