誤嚥を防ぐポジショニングと食事ケアの技術伝承 ─ ポジショニングで食べる喜びを伝えるPOTTプログラム ─

ポジショニングの基礎知識

ポジショニングと倫理行動

ポジショニングと倫理行動

日常の倫理的ジレンマは、“食事に関するもの”が多い。食事介助やポジショニングも相手の人権を尊重したケアか否かが問われ、倫理的行動につながってくる。
ポジショニングは、基本的な食行動の援助であり「食べる権利」を守ることでもある。不良姿勢は、ケアの未熟さもあり倫理的行動とは相反する。何よりも、“なぜ?”“もっとよく”といった、倫理的感性が求められる。
経口摂取困難時の意思決定支援も重要である。専門職は、倫理原則自律、医療者との価値観や立場を丁寧に出し合うことで、倫理課題解決の方向性を検討する。各専門職の倫理綱領は、倫理的行動の規範となりチームでの食事場面で活かしていく。図のように日曜的なケアは、「自分らしく食べること」であり倫理的行動と直結する。良質なケアこそが、倫理的行動となる。

参考・引用文献

  • フローレンスナイチンゲール・湯槇ます訳(2012).看護覚え書き.現代社.
  • 小山珠美(2012).ビジュアルでわかる早期経口摂実践ガイド.日総研.
  • 田上裕記,太田清人他:頸部回旋及び体幹傾斜の違いが嚥下運動に及ぼす影響.日本摂食嚥下リハビリテーション学会誌13(1)3-9,2009
  • 藤島一郎:日本摂食嚥下リハビリテーション学会医療検討委員会.訓練法のまとめ(2014版),日本摂食嚥下リハビリテーション学会誌,141(3),644-663.
  • 迫田綾子他(2015).平成24年~26年度科学研究費助成事業研究成果報告書「誤嚥を予防する食事支援のためのポジショニング教育スキームの汎用化」.
  • 杉谷藤子(2007).川合誠恵:ベッドサイドの看護倫理事例30,日本看護協会出版会.

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